
上野の国立科学博物館の
特別展「生命大躍進―脊椎動物のたどった道」
前回のブログから間が空いてしまいましたが、生命大躍進ブログvol.1〜3に続いてレポート第4弾をお届けします。
以前のレポートはこちらからご覧になれます。
生命大躍進 レポートVol.1
生命大躍進 レポートVol.2
生命大躍進 レポートVol.3
恐竜の出現と繁栄の時代に生きた「哺乳類」は、恐竜とは生活様式や姿形を変えながら、地味ではありますが着実に進化を続けていました。
しかし哺乳類がなぜ、恐竜に代わり今日のような繁栄を遂げるまでになったのか?
長い間恐竜を避けるようにひっそりと生きていた小さな私たちの祖先が繁栄した要因は、いったい何だったのでしょうか?
【 小さな体と、適応力 】
生命大躍進 レポートVol.3でご紹介したとおり、度重なる地球の大異変により多くの生き物が絶滅に追いやられました。
特に、白亜紀末期の小天体の衝突による地球の被害は甚大なものでした。
大気や地表は灼熱状態になり、高さ300mにも達する巨大津波が襲い、衝突によって巻き上げられたチリなどにより太陽光は数ヶ月から何年ものあいだ遮られ、寒冷化が起こりました。硫酸や酸性雨も降り注ぎました。
これにより、光合成を行う植物や植物プランクトンが壊滅状態になり、植物食の動物が減少します。
そして食物連鎖の頂点にいた恐竜などの多くの生物が絶滅しました。
そのとき、私たちの祖先であった「哺乳類」はどのように危機を乗り越えたのでしょうか?
↓最も古いとされる哺乳類の祖先「ジュラマイア」。恐竜時代に出現しました。画像右上のねずみのような動物です。

当時、大型恐竜の影に隠れて生活していた哺乳類は、小さいながらも樹上、地中、水中などの様々な空間に進出しました。
大災害に見舞われた地球上で、わずかに残された隠れ家に身を潜めて生き延びることができたのは、大型になった恐竜よりも小型の生物の方だったようです。
大災害後の地球では、食物が極端に乏しい環境が続いたことが想像できます。
小さな生物は大型生物のように多量な餌や水分を必要としません。
わずかな食物でも命を繋ぐことが出来たのかもしれません。
また成長率が同程度であるならば、小さな動物より大きな動物の方が成長にかかる時間は長くなります。
成長にかかる時間、より具体的に言えば性成熟に達する時間が短いとより早く子孫を残せます。
このことから、大惨事に直面した場合、子供を産み種を保存し回復するまでにかかる時間も、大型の動物より小型の動物の方が有利に働いたと考えられます。
【「胎盤」を持つ、そして「母乳」で育てる 】
地球の歴史上でみると、哺乳類は恐竜絶滅直後の短い期間(約40万年間)でいっせいに大拡散(多様化)しました。その理由には哺乳類の繁殖の様式が深く関わっているようです。
恐竜は「卵」を産み子孫を残しました。
一方で、哺乳類は「胎盤」というお腹の中の器官で子供を育て、産みます。
地球で起きた大災害では「卵」を産む生物が難を逃れるために、時には「卵」を残して避難をしなければならないことがあったでしょう。
しかし胎盤をもつ哺乳類は、お腹の子供と共に移動をし、またある程度しっかりと発育した状態の子供を産むことができました。
哺乳類の繁殖の大きな特徴は、母親が栄養価の高い「母乳」を産まれた子供に飲ませることができる、ということです。
誕生後のしばらくの期間、母親が子供に「母乳」を与えることで、幼い子供が自分で餌を探す必要は無くなります。
子供が危険にさらされる機会が減ることで生存率を高めることができたと考えられます。
新生代からは、哺乳類が多様化し、小型の哺乳類から大型の哺乳類まで様々なタイプの哺乳類が出現しました。
彼らは海や空など陸以外の場所にも進出し、数、種を増やしていきました。
↓サーベルタイガー(スミロドン)
あごから大きく突き出た剣状の犬歯が特徴で剣歯虎とも呼ばれます。現在は絶滅しています。
ぬいぐるみ ねそべりシリーズ サーベルタイガー(スミロドン)

↓マンモス
絶滅したゾウの仲間です。湾曲した大きな牙を持ちます。
ぬいぐるみ おすわり シリーズ マンモス

【 霊長類の出現 】
哺乳類の中でも把握能力のある手足を持ち、視覚が発達した「霊長類」は樹上に生活の場を広げた哺乳類の1グループでした。
このグループから、私たち「ヒト」に繋がる系統が現れたと考えられているそうです。
その後、中新世から完新世にかけて、樹上生活から陸上へ生活を移すものが現れます。
常態的に直立歩行をして、脳容積が増え、進化や絶滅を繰り返しながら複雑に枝分かれした系統樹の先に、現在の私たちに近い体つきを持つ人類が現れます。
様々な時代を経て、私たちの祖先となる脊椎動物は壮大な進化の道のりを歩んできました。
私たち「ヒト」の体には約40億年という生命進化の歴史が刻まれているのですね。
さて、ここで4回に渡りお届けした「生命大躍進」ブログを終了します。
お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。
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↓カンブリア紀最強の捕食者といわれている「アノマロカリス」

↓胎盤を持つ哺乳類よりも前に繁栄した、哺乳類の祖先「ディメトロドン」

↓アノマロカリス・ディメトロドンのイラストは両面ハンカチ 古代生物 24の柄になっています。
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↓発達した顎を持ちデボン紀に繁栄した「ダンクルオステウス」
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↓初期の両生類「イクチオステガ」
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