サイエンスバンダナに興味を持たれた記者の方から取材の申し込みがあり、
先日ショールームで取材を受けて本日の掲載となりました。

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生物の美 造形
チョウに魅せられた探検家
動物園や水族館、博物館など全国百五十館の売店に商品を提供している「カロラータ」(文京区)は、生物をデザインしたグッズの専門会社だ。チョウを追いかけ世界の秘境をめぐった探検家が始めた。人の手では作り出せない生物の造形美を身近なかたちにする。
「生物はそれぞれの生態、習性に基づいた合理的なフォルムや色、模様がある。商品は不自然なデフォルメはせず、細部にまでこだわっています」
カロラータのショールームで、社長の西沢孝さん(六二)が熱く語る。図鑑並みに詳細なデータを載せた恐竜のバンダナや、魚や動物の精巧なフィギュア、アニマル模様のストールなど約七百種の商品が飾られている。
会社は二十五年前に始めた。「カロラータ」とは、二十四歳の時、インドネシア・ニューギニア島西部(西イリアン)で、自らが発見した高地性ジャノメチョウの新種の名前だ。四センチほどで、茶色い羽にオレンジの紋があるかれんなチョウ。探検家の精神を、創業の志とした。

(colorata)
東京生まれ。中学の生物部でチョウの魅力に取りつかれた。「標本を見て、何でこんなにきれいなのだろう。どうして表と裏で模様が違うのだろう、と興味を持った」。毎週末、チョウを捕りに全国の山々へと出掛け、無我夢中でチョウの標本作りをした。
海外の珍しいチョウがほしいと、仲間三人でアフガニスタンへ向かったのは十九歳の時、中央大法学部一年だった。荒涼とした高地を、一週間ほど馬でキャラバンを組んで進み、標高三千~四千メートルまで上った。そこで「幻のチョウ」とされるアウトクラトールのメスを採集した。羽に大きく美しいオレンジ色の紋がある。「三十五年ぶりの発見だったと思う」
その後、大きな羽が特徴のトリバネアゲハの宝庫、ニューギニア島へ毎年のように渡る。数週間かけて森林の奥地へと進む。六回の探検で計五種類のトリバネアゲハの採集に成功した。なかでも希少な「ロスチャイルドトリバネアゲハ」の採集は、五十数年ぶりだったという。
熱帯熱マラリアにかかり約一年半の闘病生活を余儀なくされた時、通院しながら父親の経営するバッグや繊維製品販売の会社を手伝った。それで、ものづくりの面白さに目覚めた。しばらく商品企画などに携わり、三十八歳でカロラータを創業した。「中途半端に事業はしたくない」と、探検はそれ以来「休み中」。
探検するうちに魅せられた自然の神秘を、たくさんの人に伝えたい。それで、生物をデザインしたグッズを作り続けている。「身につけたり、日常的に使うことで興味がふくらむ。図鑑や本よりも自然を近くに感じてもらえると思っている」
地球温暖化など、自分が探検に出掛けていたころよりも心配なことが増えた。「人間の営みが、地球という有限の中で限界を超えているのではないか。自然や生物の存在をもっと正しく知ることが、必要だと思う」。そんな危機感も商品開発にこめている。
(東京新聞 2015年2月3日 TOKYO発)
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これからもこだわりの商品を作っていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
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