皆様こんにちは。商品企画部のAjiです。
上野の国立科学博物館の特別展
「太古の哺乳類展 ―日本の化石でたどる進化と絶滅―」のレポートは6回目となります。
上野の国立科学博物館 太古の哺乳類展リーフレットより↓
先日は、中新世から更新世に繁栄した太古のゾウの仲間、特にナウマンゾウについて紹介させていただきました。
今回はナウマンゾウを含む、ゾウの体のある部分について更に詳しくレポートいたします。
■ ゾウの歯ってどんな形?
特別展の会場では太古の日本に生息していた「アケボノゾウ」「ナウマンゾウ」「ケナガマンモス」や、現存する「アフリカゾウ」の全身骨格をはじめ、大きな牙の化石を見ることができ、その迫力に圧倒されます。
一方で、決して大きくはないのですが、ゾウの仲間の特徴をより濃く伝える象徴的な化石も数多く展示されています。
その一つとして「歯」の化石があげられます。
ゾウの歯の形はご存知ですか?一つの臼歯が楕円形で、その中にはいくつものヒダ状の突起があります。
ぱっと見た感じはゆたんぽのようです。
もし機会がありましたら動物園のゾウの口の中を覗いてみてください。チャンスに巡り会うのは難しいのですが、ゾウの口の中には、上下に2枚ずつ黄金色の草履が張り付いているような、独特な形の歯が見えます。
■ ゾウの歯はどのように生え替わるの?
人の歯は、大人になると28本の永久歯で構成されます(親知らずは除きます)。
赤ちゃんの頃に生えた乳歯が抜けて、下にあった永久歯が「垂直」に生え替わる、そしてその回数は生涯で1度きりです。
多くの哺乳類がこのような仕組みをもっています。
しかし同じ哺乳類でもゾウの歯の交換はとてもユニークなのです。
ゾウは基本的には上アゴに2本、下アゴに2本合計4本の大きな臼歯があります。
この臼歯、一生の間に各アゴに合計6本ずつ生えます。
歯の交換についてですが、古い歯はまるごとポロっと抜け落ちるのではなくアゴの前方へと移動します。
前方へ移動しながら徐々にすり減り、一番前にくる頃にはポロポロと小さく欠けて無くなります。
では、新しい歯はどのようにして出てくるのでしょうか?
古い歯を押し出しながら、古い歯と共にアゴの前方に移動します。そして前述したようにアゴの先端にくる頃には摩耗し、最後は欠けてしまいます。これを「水平交換」とよびます。
歯が抜けている期間はないため、常に口の中に歯のある状態になります。
ナウマンゾウをはじめ、絶滅したゾウの仲間の歯もこのような構造をしていました。
ゾウの下アゴ イメージ図↓
■ 化石のゾウは何歳?
このように独特な歯の交換をするゾウの仲間は、生えている臼歯の種類と摩耗の度合いで、だいたいの年齢を知ることができます。
歯の化石が発見されたナウマンゾウの年齢は、アジアゾウとアフリカゾウのデータをもとに年齢を推定しています。
特別展では、ナウマンゾウの歯の化石の推定年齢と、そのステージの状態を比較しながら見ることができます。
「これは赤ちゃんナウマンゾウの歯だね。」「こっちはおじいさんの歯だ!」などといった会話もはずみます。
歯の化石からも大きな情報が得られることが改めて分かりました。
■ 歯は命!
現世の「アフリカゾウ」「アジアゾウ」の寿命はおおよそ60年と言われています。その期間に大きな体を維持するためにはより多くの餌を咀嚼し、臼歯を長持ちさせなければなりません。
歯を持つ生き物がそれを失うこと=「命に関わること」であり、より多くの餌を摂取するゾウの仲間にとっては歯の仕組みを進化させたことは生き残る上で重要な要素であったと考えます。
古代の日本において、ゾウが繁栄した理由は少なからずこの歯の構造が関わっていたように感じました。
息子(5歳)
「僕はあと何回歯が生え替わるの?」
Aji
「今生えている歯が抜けて、大人の歯が生えたらもう生え替わらないよ。だから1回だね。」
息子(5歳)
「サメの歯も何度も生え替わるんだよね ? いいなー。」
Aji
「生き物によって歯の形や生え替わる仕組みが違うのは面白いね。
昔の生き物も、今の生き物も、私たち人間にとっても歯は大切なものなんだよね。」
息子(3歳)
「歯はだいじだね。はみがきはキライだけど。。。」
国立科学博物館の特別展は10月5日(土)まで開催されます。特別展のチケットで常設展示も観覧することができます!皆さまぜひ上野へ足を運んでみてはいかがでしょうか?
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この記事へのコメント
Takako
ねそべりパンダ
colorata-staff
コメントありがとうございます。
大切に可愛がってくださってありがとうございます。
これからもカロラータのぬいぐるみと、
ご縁がありますとスタッフ一同うれしいです。