太古の哺乳類展 レポートVol.4

太古の哺乳類展 レポート?Vol.4

こんにちは、Coelacanth です。

夏休み、楽しんでいらっしゃいますか?実は私Coelacanthは、先日はしゃぎ過ぎて、プチ熱中症にかかってしまいました
想像以上につらいものです。皆さんは、しっかり水分補給して、ぞんぶんに夏晴れを楽しんでくださいね。

さて、今週も引き続き、国立科学博物館さんの特別展「太古の哺乳類展」レポート、今回はVol.4です。


★ Welcome to the world of DESMOSTYLUS!

 さて、前回のレポートでは、日本海が発生した後、多島化(島しょ化)した日本でのお話をさせていただきましたが、ちょうど同じ頃、現代から2800~1300万年前頃に繁栄し、そして絶滅した動物が今回の「太古の哺乳類展」の第5章「デスモスチルスの世界」の主役、デスモスチルス類なのです。

 デスモスチルスとは何者か?
 はい、こんなコです

s-Desumostylus.jpg

 カバっぽいですね。
 
 日本、カムチャツカ、アラスカからカルフォルニア周辺の浅い海でタプタプ船しながらのんびり暮らして生きていたと思われる、体長約2m以上もある大型哺乳類です。ゾウ、ジュゴンの仲間に近いと考えられていますが(ちなみにカバはウシに近い動物とされています)、現在、デスモスチルスの仲間は完全に絶滅しています。
 
 もともと化石が少ないとされている日本ですが、このデスモスチルス類の化石は日本各地から、なんと80個体分も見つかっているのです。

 太古の日本の海辺では、こんな丸っこい動物が繁栄していたのだと想像すると、自然と平和な光景を想像してしまいます晴れ なんだか楽しくなりませんか? 

 1800年末に岐阜県で見つかった化石に名付けられた名称が、この「デスモスチルス」なのですが、その後、日本各地で、この、デスモスチルスへの進化前と思われる生物の化石がたくさん見つかったのです。彼らはその形状から「アショロア」「パレオパラドキシア」など、5属に分けられました。

 そこで、進化の後期段階の生物の名前であるにもかかわらず、最初に見つかった「デスモスチルス」の名前から、「アショロア」、「パレオパラドキシア」などを含めて「デスモスチルス類」とまとめる事になりました。

 でも、デスモスチルス類の中にデスモスチルスがいるとか、少々ややこしいですよね。
 そんな訳で、デスモスチルス類が共有する特徴から「束柱類」という言葉が使われています。

 共有する特徴とは?なぜ「束柱類」なのか?
 これは、デスモスチルスの特徴である、歯の形が由来になっています。

 字面の通り、奥歯がのり巻きを束ねた様な形になっているんです。

s-kanpyo&kappa.jpg

 こちらは先日の私のお昼ご飯、助六寿司を流用した束柱類の歯のイメージ画像です。おおよそこんな感じなのですが、本物は、ぜひ特別展会場でご覧くださいねぴかぴか(新しい)
 
 こんな強そうな歯をしていると、たいていの堅いものは噛み砕けたでしょうから、きっと貝などもバリバリどんっ(衝撃)と食べていたのかと思われたのですが、最近、どっしりとした体に似合わず、海藻や、ゴカイなどの無脊椎動物を食べていたらしいという事が分かっています。柔らかいものがお好みだったようですね。
 
 詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/geology/kohno/

 今回の「太古の哺乳類展」では、日本で見つかったデスモスチルス類の化石「アショロア」「ベヘモトプス」「パレオパラドキシア」「デスモスチルス」を展示しています。

 普段は発見地各地の博物館でしか見られないデスモスチルス類の標本ですが、今回の特別展は、各地の標本が一堂に会しているので、一か所で比較しながら見学できる、とっても貴重な機会となっています。
是非お見逃しなく


★ 人類の歴史って、彼らにくらべたらまだまだ・・・
 
 さて、このデスモスチルス類ですが、先に書いた通り、約2800万年前に突如現れ(化石として、という意味ですが)、そして1300万年前に絶滅してしまったのです。化石の発見が少ない日本で、数多くの化石が見つかるほど繁栄していた彼らが、何故に絶滅してしまったのか、その原因は未だに分かっていません。
 
 「絶滅した」と聞くと、何となく、種として短命な印象を持ってしまいませんか?
 しかし、このデスモスチルスの仲間たちは少なくとも、約1500万年間は生きていたと考えられます。

 1500万年の間と言われても、なかなか実感は湧かないかと思いますが人間が、チンパンジーの祖先から分かれて進化し始めたのが約700万年前、つまり、人間として進化を始めてからまだ700万年しか経っていないのです(何だか変な文章ですね)。この事を考えると、1500万年もの間、プロスペーラスな繁栄を続けた、このデスモスチルスの存在感グッド(上向き矢印)がご理解いただけるかと思います。やはり日本を代表する絶滅大型哺乳類に間違いないのですね。


 ちなみに、肉食恐竜の代表格として有名なティラノサウルス

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立体図鑑 ディノVol. 1

と、背中の突起がイカした剣竜ステゴサウルス

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立体図鑑 ディノVol.3

有名な話ですが、この2種の恐竜が存在した白亜紀ジュラ紀の間には、約6500万年もの開きがあるのです。
人類が進化を積み重ねてきた時間の何倍もの隔たりが、ティラノサウルスとステゴサウルスの間にはあるのです。
改めて聞くと、何だか意外じゃないですか?

 同じ仲間として、一括りにされてしまいがちな恐竜たちを、敢えて別々のセットに分けているのは、印象だけではない、こういった事実も知っていただきたいというカロラータならではのこだわりひらめきからなのです。


★ デスモスチルスをもっと知りたい!そんなあなたへ

 デスモスチルスの化石は国立科学博物館、常設展示でもご覧いただく事ができます。

 日本館3F「日本列島の生い立ち」のコーナーでは、更に太古にさかのぼった、日本列島の歴史、それに伴う生物の絶滅、進化、もちろんデスモスチルスがその歴史の中でどのあたりに組み込まれていたのか、バランス良くお勉強眼鏡する事ができます。特別展見学の後は、ぜひこちらもご覧くださいね。

 さて、長くなりましたが「太古の哺乳類展レポート Vol.4」はこれでおしまいです。
 長々とお付き合いいただきどうもありがとうございました。

 次回は、この特別展の主役、日本で生き、進化していったゾウたちのお話です。
 ぜひお楽しみにexclamation×2

 ※おまけ
 デスモスチルス復元に関して解説している映像なのですが、とても興味深い内容でしたので、紹介させていただきます。



 化石発見現場のモノクロ映像とか、皆さん正に喜色満面、とてもうれしそうで、何だか良いですね。


 


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