太古の哺乳類展 レポートVol.1

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梅雨も明けて暑い日が続きますが、その暑い中を汗をふきながら
今年も上野の国立科学博物館の特別展の見学&レポートに行って参りました。

今回の特別展は
太古の哺乳類展 ―日本の化石でたどる進化と絶滅―

日本国内で発掘された哺乳類の化石に焦点を当てて、日本にどんな哺乳類が生息していたのか、どのような進化をたどったのか、そして絶滅したかを一覧できるイベントです。

まずは一番手でPGがお届けします。
特別展の内容に入る前に、ちょっと寄り道して生命の歴史的なものをおさらいしたいと思います。

■地球の歴史

地球が誕生したのはおよそ46億年前と考えられています。
そして環境が整って原始的な生物が初めて誕生したのが36億年前(諸説あり)。
それから30億年ほどは海の中での緩やかな進化の時代が続きます。
この期間のことを「先カンブリア時代」といいますが、
一口に30億年とか40億年とか言っても、ものすごく長い時間ですよね。まったく想像もつきません。


■カンブリア爆発

そして、進化上の大事件と言われる「カンブリア爆発」が起こります。
5億4000万年前、「古生代」の「カンブリア紀」に入り突然生命が短期間で爆発的に多様化したんです。
ちなみに、大きなくくりとしては、
長かった「先カンブリア時代」のあとに、
古い生物の時代の「古生代」約5億4000万年前~2億5000万年前(2億9000万年間)
次(中間)の時代「中生代」約2億5000万年前~6500万年前(1億8500万年間)
新しい生物の時代「新生代」約6500万年前~現代まで(6500万年間)
となっていて、それぞれの時代の中でもいくつかに分かれます。

カンブリア紀というのは「古生代」の中で最初ですから、
「先カンブリア時代」が終わってすぐになります。
恐竜が大繁栄したのは「中生代」になりますね。

先カンブリア時代
36億年前〜5億4200万年前
古生代  カンブリア紀  5億4200万年前〜
 4億8800万年前
5400万年間
 オルドヴィス紀  4億8800万年前〜
 4億4400万年前
7200万年間
大量絶滅
 シルル紀  4億4400万年前〜
 4億1600万年前
2800万年間
 デヴォン紀  4億1600万年前〜
 3億5900万年前
5700万年間
大量絶滅
 石炭紀  3億5900万年前〜
 2億9900万年前
6000万年間
 ペルム紀  2億9900万年前〜
 2億5100万年前
4800万年間
大量絶滅
中生代  三畳紀  2億5100万年前〜
 2億年前
5100万年間
大量絶滅
 ジュラ紀  2億年前〜
 1億4500万年前
5500万年間
 白亜紀  1億4500万年前〜
 6500万年前
8000万年間
大量絶滅
新生代  古第三紀  6500万年前〜
 2300万年前
4200万年間
 新第三紀・
 第四期
 2300万年前〜
 現代
2300万年間


■大量絶滅×5

それともう一つ予備知識、
「古生代」「中生代」「新生代」の区切りはそれぞれ大量絶滅が起こっています。というより、大量絶滅で区切っているというのが正しいでしょうか。
特に「古生代」と「中生代」の区切りの大量絶滅は、海生・陸生・昆虫などすべての生物の90%が絶滅したと言われるほどの大事件でした。
そして「中生代」と「新生代」の区切りのほうは、有名な恐竜が絶滅したものです。
また、その他にも3回の大量絶滅が起こっていて、その都度生物は大きなダメージを受けながらもなんとか生命をつないできました。

今回の特別展は、この6500万年前の恐竜絶滅のあと、「新生代」で哺乳類が繁栄していくところに焦点が当てられているわけです。まさに新しい生物の時代ですね!


■地味な存在

ふー、前置きが長くなりました。ここから本題です。

哺乳類の起源ですが、決して恐竜がいなくなったから発生したわけではないんですね。
なんと恐竜とほぼ同じ時代に現れていたんです。約2億2000万年前だそうです。
「中生代」の三畳紀にあたります。(もちろんその前に、哺乳類の祖となる生物もいました。4億年ほど前のようです)

しかし、恐竜がそのあとジュラ紀、白亜紀と多様化しながら、1億5000万年ものあいだ地球上のあらゆるところで繁栄を極めたのに対して、哺乳類は、ネズミ程度の大きさで、恐竜たちに見つからないように夜活動し、ミミズや昆虫などを食べて生き延びていたんですって。1億5000万年ものあいだ。
地味! それに我慢強い!
現代の哺乳類全盛の状況からは想像もつかない、意外な過去ですね。
それに、気が遠くなるほどの長い時間の単位です、生物の進化というものは。


■ひそやかな進化

しかし、哺乳類もただ何もせずに我慢していたわけではないんですね。
これまた地味ですが、「歯」を進化させていたんです。
そしてこの「歯」の進化が、哺乳類が次の時代の王者になるための礎となっていくんですね。

展示会場に入って最初に、ものすごく小さい「歯」の化石がいくつも並んでいます。
一応拡大レプリカが一緒に展示してありますが、展示物としてはものすごく地味です。

しかし、これこそが哺乳類の進化を見る上ではとっても大切な展示物なんです。
会場には、ハクサノドンやハクサノバーター、テドリバーターの下顎の化石が展示されています。
ハクサノドンのものは1億2000万年くらい前のものだそうです。


■胎盤の意味

歯の進化が進み、上下一対の臼歯を持つに至った哺乳類が、現代につながる
真獣類(胎盤を持つ哺乳類)と
有袋類(カンガルーの仲間)の祖となります。
展示ではササヤマミロスやソルレステス・ミフネンシスがこれにあたります。(これも小さな展示物ですが)
そしてこの胎盤を持つということがものすごく画期的なことだったようなんです。

胎生ということは、母親の胎内で赤ちゃんが育つわけですが、このことは大きな赤ちゃんを、ある程度成長させて産むことができるというメリットがありました。
ある程度胎内で成長させた赤ちゃんを産むことができれば、生まれてからの危険を減らすことができます。
そしてなにより重要なのは、他の生物に比べて大きな脳を獲得する下地となったと考えられているらしいんです。たしかに卵では大きく産むにも限界がありますよね。
地味な展示物ですが、意味するところは大きいと思います。


■下積みが長かったから!

それから、長いあいだ小さな体のまま外見的にはたいした変化をせずに過ごした哺乳類ですが、変化しなかったことがかえって、大量絶滅を引き起こした地球の大変動を乗り切り、恐竜絶滅後の地球のさまざまな環境に合わせて、多様化、大型化を遂げることに役立ったと考えられているようです。
突然恐竜がいなくなって、今まで押さえていたものが一気に爆発した感じでしょうか。
基本がしっかりできていたから応用がいくらでもきいたということなんでしょうね。



それにしても、生命の36億年という長い歴史の中で、哺乳類が繁栄するのはつい6500万年前からなんですね。もちろんそれでも気が遠くなるくらい長い時間ですけど。
そして、1億2000万年のハクサノドンから1万年前に絶滅した大型哺乳類までの、日本での進化と絶滅の歴史が今回の特別展で見られるということです。なかなか貴重な機会ですよね。
特別展の内容は、このあと大型の哺乳類や植物の進化、日本に多くいたゾウのことや他の絶滅した動物たちのことなど盛りだくさんですから、ぜひ実際に行って見学されることをおすすめします!

以上、展示物とは関係ないことも織り交ぜての第一弾でしたが、これからもポイントを紹介しながらレポートをアップしていく予定です。第二弾は来週8/1(金)予定。

それから、ショッピングはぜひ地下1階にあるミュージアムショップでどうぞ!ここにはカロラータ商品がたくさん置いてありますから、きっと欲しいものが見つかりますよ!
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by P・G


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