あまり多くてネタバレになっては申し訳ないので、
いくつかのポイントをさらっと紹介します。
汚名
1922年〜1923年の調査でプロトケラトプスの化石が発見されましたが、
このとき卵の化石も一緒に発見され、きっとこれは
プロトケラトプスの卵だろうと認定されたんですね。
〈プロトケラトプス カロラータディノボックスVol.1より〉
ただこのとき、奇妙な顔つきの獣脚類の骨もすぐそばで発見。
きっとこれは、プロトケラトプスの卵を食べにきた他の獣脚類だろうということで
「卵ドロボウ」という意味の「オヴィラプトル」という名前を付けられました。
ところが、それから70年後の1993年、さらに1995年の新たな発見と調査で、
どうやらその卵はオヴィラプトルの卵だったということが判明しました。
オヴィラプトルは自分の卵を抱卵していただけなんですね。
自分の卵を抱卵していただけなのに、「卵ドロボウ」という汚名を着せらたなんて、
かわいそうなオヴィラプトル。
〈オヴィラプトル カロラータリアルダイナソートランプより〉
しかし、濡れ衣が明らかになったにもかかわらず、今更学名変えちゃうと混乱するから、このままで行きましょうということになったそうです。
(か、かえてあげればいいのに……)
というわけで、本当は子ども思いなのに、今だに卵ドロボウと呼ばれてしまうちょっとかわいそうな恐竜なのでした。
なお、オヴィラプトルは全身骨格の展示はありませんが、
汚名を晴らすキッカケとなった卵状態の「胚」の実物標本が展示されていますよ。
ちいさなアジアの暴君
ティラノサウルス類の子どもの化石は世界でも少なく、
タルボサウルスとティラノサウルスはとてもよく似ているので、
ゴビ砂漠で見つかったタルボサウルスの子どもの化石は
ティラノサウルス類の研究のために価値が高いんだそうです。
それは成長の変化を知るためにもそうですし、
他の近縁種との違いを特定するにも役立つそうです。
展示は3歳のタルボサウルスの実物や、全身骨格(レプリカ)があります。
展示順の最初と最後にあるので、最初のほうは見逃さないようにご注意。
3歳って結構小さいですよ。なんだかダチョウくらいの感じでしょうか。
大腿骨なんかも細くて、全体にきゃしゃな感じです。
暴君たちにもかわいい時代があるんですね。
子どもと成体の全身骨格が横に並んでますから、ぜひ比べて見てください。
迫力のある成体の頭骨実物見本も2体並んでますよ。
〈近縁種であり誰もが知ってるティラノサウルスのフィギュア〉
けんかをやめて
珍しい化石が展示してあります。
なんとプロトケラトプスとヴェロキラプトルが
戦っている状態そのままで化石化したものです。
レプリカですが、本当に咬んだりして戦っています。
戦いの最中に大量の土砂かなんかに埋められてしまったらしいんですが、
きっと夢中で戦ってて回りの変化に気づけなかったんでしょう。
大きさも、結構小さいんですよね。ヴェロキラプトルは、だいたい大型犬くらいじゃないでしょうか。
しかし、まるで時間が止まる魔法でもかけられたみたいです。
〈ヴェロキラプトル カロラータディノボックスVol.1より〉
大絶滅時代
恐竜が突然大絶滅したことはよく知られていて、
その理由もいろんな説が考えられていますが、
6600万年前に起こった大絶滅のあとにどんな生物が生き延びたのか?
ということについての展示コーナーがあります。
やっぱりポイントは「小さい」ことと「省エネ」らしいです。
当時の恐竜の一部は恒温動物だったということもあり、
絶滅したのは
・大きい ・恒温動物 ・餌をたくさん食べる ・成長が遅い
などなど、
逆に絶滅しなかったのは
・小さい ・変温動物 ・餌が少なくていい
・なんでも食べる ・成長が早い
などなど と考えられてるとか。
コリストデラ類と呼ばれる、トカゲやワニのような頭部を持つ生物の化石がたくさん展示されていますが、これらは生き延びた爬虫類の化石なんですね。
恐竜も小さい鳥になって生き延びたものもいるわけですが、ただ、
鳥類も75%が絶滅していたり、トカゲやヘビ類も激減していたりするので、
一概に小型で空を飛べるからとか、変温動物で小さいから生き延びたともいえないようです。
だいたい海の生物も絶滅してますからね。謎です……。
まあ、多様性のある生物が生き延びたことは確かなようです。
ところで、地球は過去5回の大絶滅を経験していると言われますね。
5回目が恐竜が絶滅した時です。
ただ、人によっては、6回目の大絶滅が現在進行中だと言う人もいるんですって。
原因は「人間」です。
やはり、地球に生かされていることに感謝しないといけないですよね。
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この記事へのコメント
tonton
昨年行ってきましたが、また行きたくなりました。
P.G
ぜひまた行かれたらいいと思います!
新たな発見があるかもです!